2003 年 12 巻 3 号 p. 1-9
本研究の目的は、看護教員の職業アイデンティティ(以下「職業アイデンティティ」と略す)に関連する要因を教員の背景に焦点をあてて明らかにすることである。質問紙郵送法により、看護教員327人より有効回答が得られた。その結果、職業アイデンティティに関して、以下の点が示唆された。
1. 職業アイデンティティに関連する要因には、性別・年齢・教員経験年数・教員継続意志・教員役割モデルがある。
2. 職業アイデンティティには、教員経験年数よりも教員継続意志がより強く影響する。
3. 男性看護教員は女性教員に比べて、年齢が低く、教員経験が短く、教員役割モデルが得られにくく、職業アイデンティティが低い者が多い。
職業アイデンティティを高めるためには、教員継続意志がより強められるよう、よい職場環境の確保、職務内容の整理、教員自らの研修・研究の実践等が必要と考える。