日本看護学教育学会誌
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看護専門学校に所属する教員の職業経験の概念化
山澄 直美舟島 なをみ定廣 和香子中山 登志子松田 安弘山下 暢子
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2005 年 15 巻 2 号 p. 1-12

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抄録

 本研究の目的は、看護専門学校に所属する教員の職業経験を表す概念を創出し、その特徴について考察することである。研究方法論には看護概念創出法を適用し、看護専門学校に所属する専任教員22名から半構造化面接によりデータを収集した。その結果、看護専門学校に所属する教員の職業経験を表す7つの概念を創出した。7概念とは、【教育目標達成のための経験の継承と活用)【教員間協同による教育活動適正化】【看設職養成教育への理解進展による教育活動の個別化と専門学校教育の限界への直面】【目標達成困難の査定による教育内容補完と目標水準低減化】【学的基盤脆弱さの自覚と克服への試み】【教員経験累積に伴う役割拡大による充実感と不全感の知覚】【人事異動による教育職への就任と教育職への専心困難】であった。考察は、看護専門学校に所属する教員の職業経験が、職業に必要な能力の育成を目的とした教育機関において、教員自身が看護学という学術を基盤にした教育を志向する矛盾から生じていることを示唆した。

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© 2005 一般社団法人 日本看護学教育学会
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