2006 年 15 巻 3 号 p. 23-35
臨地実習において看護学生のソーシャル・サポートとして機能する教員の支援について検討することを目的とする。看護学生の実習に対するストレッサー、ストレッサーに対するコーピング方略、学生が実際に役に立ったと感じる教員の支援、学生が期待する教員の支援について検討することで以下の結論を得た。
1.ストレッサー「Fl実習の実践内容」とコーピング方略「F2現実逃避」「F5あきらめ」との間に有意な相関がみられ、実習の実践内容に困難を感じるほど情動焦点型コーピング方略をとる傾向がある。
2.ストレッサーのすべての因子と教員の支援の間には有意な相関はみられず、教員の支援は学生のストレッサーに対して関連がない傾向がある。
3.コーピング方略「Fl他者からの援助」「F3積極的な問題解決」を使用する学生は、より実習に直結する支援とともに心理的な支援も受けていると推察される。