2010 年 20 巻 2 号 p. 1-11
〔目的〕臨地実習指導者は実習目標の到達に向けて重要な役割を担うが,その役割は明確とは言えず,指導者の負担感や困難が問題となっている。今回,看護教員が期待する実習指導者としての役割項目の収集・整理を目的として調査を行った。
〔方法〕データの収集にはフォーカスグループインタビューを用いた。大学教員4名,専門学校教員4名でグループを編成し,各1回のインタビューを実施した。許可を得て録音したデータから逐語録を作成し,質的帰納的に分類・整理した。
〔結果〕31項目の指導者役割が抽出され【実習指導準備】・【実習環境の整備】・【学生の看護実践への支援】・【学生の学習意欲への支援】・【病棟スタッフとの連携】・【教員との連携】の6つのカテゴリーに分類できた。
〔考察〕実習指導者に関連する文献から抽出した56項目と比較すると,そこに含まれない8項目が抽出された。また,大学教員と専門学校教員のそれぞれに特徴的な役割が示された。