2011 年 20 巻 3 号 p. 27-36
目的:卒業直後の新人看護師に必要だと思われる看護倫理に関する教育項目とその到達度について明らかにし、新人看護職員研修のプログラム作成のための資料を得ることである。
方法:全国の特定機能病院82箇所において院内教育を担当している看護師たちを対象とし、1回目29施設、2回目19施設の協力を得て、同じ質問紙を用いて2回の繰り返し調査を行った。
結果と考察:提示した4つの枠組みの合計63の教育項目において36項目の合意を得ることが出来た。看護倫理の概念に関するものが18項目、倫理規定に関するものが8項目、倫理的な課題と解決に向けた方法に関するものが8項目、実践や教育の場における取り組みと課題に関するものが2項目であった。到達度においては、理解までを求めたものが25項目、説明できるまでを求めたものが1項目、概念に基づいて行動できるまでを求めたものが5項目の計31項目の合意を得ることができた。同意が得られなかった教育項目については、今後、教育現場の意見をふまえて再検討していく必要があると考える。