〔目的〕本研究の目的は、苦悩を抱える患者を想定したロールプレイングにより得られたコミュニケーションに関する看護学生の学びを明らかにすることである。
〔方法〕A大学の看護学部3年次のエンド・オブ・ライフケア演習において、患者・看護師・観察者の3つの立場から、苦悩を抱える患者を想定したロールプレイングを行った。研究同意の得られた看護学生のレポートの記述内容を質的帰納的に分析した。
〔結果〕看護学生の学びは、『苦悩を抱える患者を支えるコミュニケーションの大切さ』『苦悩を抱える患者をケアするためのコミュニケーション方法』『苦悩を抱える患者をケアする自己の姿勢と力量』の3コアカテゴリーから構成された。
〔考察〕苦悩を抱える患者とのコミュニケーションについて、看護学生は、患者役、看護師役、観察者の3つの立場での体験とこれまでの学びを統合して、ケアとして必要とされるコミュニケーション方法と患者への姿勢を学んでいたと考える。