動物心理学研究
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近交系マウスの長時間オープンフィールド行動
牧野 順四郎
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1991 年 41 巻 2 号 p. 82-87

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抄録

ほとんどのオープンフィールド行動研究では, 3分から5分程度の移動活動や排泄が測定されてきた。本研究は7系統の近交系マウスを用い, 測定時間を1時間に延長してオープンフィールド移動活動を中心に測定し, その時間的消長をみた。その結果, 初期の移動活動の上昇とピーク後の減衰による, 逆U字型の時間推移が全系統共通に示された。さらに, AKR, CBA, C57BL, DBA のように初期移動活動の急速な上昇・高いピーク水準・その後の減衰を示す活発なグループと, A, BALB, C3H のように移動活動の緩慢な上昇・低いピーク水準・その後の減衰をみせる不活発なグループとが見いだされた. これを, 排泄と移動活動との間に得られた弱いが有意な逆相関とを合わせて, 初期情動昂進の移動活動に対する抑制の解除過程とみてよいかどうかには, 別の観点と研究が今後必要である。

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