抄録
これまでの研究から, 統制ラットは場所学習課題の解決に装置外刺激を利用することができるが, 海馬損傷ラットはこの課題の遂行に障害を示すことが明らかにされてきた。しかし, この課題の遂行が装置外刺激に基づく認知地図の形成と利用に因るものであるか, あるいは単に装置外刺激を目標の標識として利用することに因るものであるかを明確に示すことは困難であった。しかし, 円形状の装置や格子状迷路を用いると, 認知地図によって説明する方がより合理的にその遂行を説明できることが示された。
さらに, 認知地図は利用可能な刺激手掛が装置の外にあるか内にあるかの問題ではなく, 目標と刺激の関係性の問題として考えることができることを示した。