自閉症スペクトラム研究
Online ISSN : 2434-477X
Print ISSN : 1347-5932
実践報告
知的障害を伴う自閉スペクトラム症の高等部生徒における職業行動の向上
TTAP アセスメントに基づいた作業学習における構造化の指導
佐々木 敏幸小野島 昂洋縄岡 好晴
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キーワード: ASD, TTAP, 作業学習
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2020 年 18 巻 1 号 p. 61-65

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抄録

本研究は、知的障害特別支援学校高等部2年に在籍する重度の知的障害のある自閉スペクトラム症の女子生徒を対象に、職業教育として実施する作業学習において、ソフトスキルの向上を目的に介入を行った報告である。指導では、TEACCH Transition Assessment Profile(TTAP)のフォーマルアセスメントの結果に基づき、認知の特性や強みを確認し、構造化による環境設定を行った。その結果、見通しをもって作業へ従事することができるようになり、TTAP フォーマルアセスメントの学校/事業所尺度の「職業行動」において、多くの項目で行動の改善が確認された。近年、職業教育を重視した教育課程を編成する知的障害特別支援学校においての、移行期における教育的支援として、ソフトスキルを重視した職業教育の重要性が示唆された。

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© 2020 NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
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