2020 年 18 巻 1 号 p. 61-65
本研究は、知的障害特別支援学校高等部2年に在籍する重度の知的障害のある自閉スペクトラム症の女子生徒を対象に、職業教育として実施する作業学習において、ソフトスキルの向上を目的に介入を行った報告である。指導では、TEACCH Transition Assessment Profile(TTAP)のフォーマルアセスメントの結果に基づき、認知の特性や強みを確認し、構造化による環境設定を行った。その結果、見通しをもって作業へ従事することができるようになり、TTAP フォーマルアセスメントの学校/事業所尺度の「職業行動」において、多くの項目で行動の改善が確認された。近年、職業教育を重視した教育課程を編成する知的障害特別支援学校においての、移行期における教育的支援として、ソフトスキルを重視した職業教育の重要性が示唆された。