本研究では、重度知的障害のある自閉症スペクトラム生徒1 名を対象に、給食場面の奇声や机たたき、廊下への飛び出しなどの激しい行動問題に対し、機能的アセスメントに基づく指導を行った。機能的アセスメントの結果から、行動問題は給食の待ち時間に生起することが多く、行動の機能は教師から注目を得ることと、待つ状況に対する逃避機能であると推定された。そこで、学級担任と協議の上、着席して音楽を聴いて待つことを目標として指導を行った。その結果、激しい行動問題は改善し、給食の待ち時間に対する着席率が安定した。前兆行動を含む行動問題のレベルに応じた対応方法を事前に決定し、担当教師間の共通理解の下で指導を実施することの有効性が示唆された。