2021 年 19 巻 1 号 p. 97-105
3歳の知的発達に遅れのある自閉スペクトラム男児について、保育園・小学校の通常クラスへの参加を目標とした指導経過を追ったものである。対象児の居住地が遠方であったこともあり、関連機関などとの連携をとることが困難であった。そこで、当該センターでの個別指導(行動論的)、そしてCLISP-dd発達検査の反復実施による経過観察をもとにした家庭指導を中心に進めた。その結果、保育園への入園、そして小学校の通常クラスに入学することができた。就学前幼児の療育における課題として、役立つ発達検査、具体的な指導目標、そして地域でのチームワーキング体制の必要性について検討した。