石油技術協会誌
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論説
マイクロフォーカスX線CTを用いたMH堆積物の浸透率および熱伝導率評価
長尾 二郎神 裕介林 順子海老沼 孝郎成田 英夫
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2009 年 74 巻 4 号 p. 290-296

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抄録

天然メタンハイドレート堆積物の浸透率および熱伝導率をマイクロフォーカスX線CTを用いて評価した。三次元CT像から孔隙, 砂粒子, ハイドレートおよび氷を分離し, 連続した孔隙ネットワーク分布(連通孔)を抽出した。実験的に得られた絶対浸透率と連通孔分布との比較から, 連通孔密度の異方性が高いほど絶対浸透率が低いことが分かった。この結果は堆積物中の連通孔密度分布が絶対浸透率に大きく寄与することを示唆している。また, 得られた三次元CT像に有限要素法の1つである均質化法を適用し, メタンハイドレート堆積物の熱伝導率を評価した。本手法により算出した熱伝導率と実験により得られた熱伝導率は非常に良く一致した。これらの結果から, マイクロフォーカスX線CTを用いた三次元CT像解析手法が, 天然ガスハイドレート堆積物中の流体移動ならびに熱物性を算出する有効な手法であることを明らかにした。

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© 2009 石油技術協会
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