石油技術協会誌
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論文
リム型薄油層における水平坑井配置の最適化のための深層学習によるデータ駆動型アプローチ
ウトモ プラタマ イスカンダール阿部 和希栗原 正典
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2022 年 87 巻 1 号 p. 52-68

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抄録

通常の坑井(垂直井)を用いて薄いオイルリムを経済的に開発することは困難である。そのため,垂直井の欠点を克服すべく,水平井が広く使用されているが,その適用を成功させるために重要になるのが最適な坑井配置である。しかしながら,従来の最適化手法では,多大な計算時間と人力が必要となる。本研究は,深層学習モデルを利用することにより,水平井の付け根(heel)と先端(toe)の位置を最適化するデータ駆動型アプローチを提案するものである。まず,学習モデルを訓練するために,薄いオイルリムの回収メカニズムに影響を与える9つの基本的なパラメーターを変化させて,仮想データベースを生成した。さらには,最新の最適化手法の1つである遺伝的アルゴリズム(GA)と粒子群最適化法(PSO)を組み合わせたハイブリッド手法を用いた数値的な最適化プログラムを作成し,それによる最適化結果を,精度と計算時間の観点から,上記の深層学習モデルによって得られた最適解と比較した。仮想のデータセットに基づく深層学習によって最適であると予測された水平井の heel と toe 位置は十分に正確であり,ハイブリッド GA-PSO 法によって求められた最適解と同等であったが,計算に要した時間は極めて短いものであった。本研究で開発したモデルは,特にデータが不足している場合でも,さまざまな薄いオイルリムの特性に対して普遍的な最適解を提供でき,オイルリムの開発が計画されている全てのタイプの油層における水平井の坑井位置の最適化計算に要する時間を大幅に短縮することができる。

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