石油技術協会誌
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砂岩貯留層の物理検層解析のための新しいFormation Factor EquationおよびWater Saturation Equation
小野 進
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1984 年 49 巻 6 号 p. 365-375

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抄録

物理検層解析は検層データから主として孔隙率および水飽和率を求めるものである。そのために多くの解析式が提案されてきた。しかしながら解析結果と実際のテスト結果とが調和しないことも多い。このような悶題点を解決するために,ソ連邦サハリン島北東海域のチャイウォ油・ガス田における多くのコア分析データを用いて,検層解析の基本式であるFormation Factor EquationとWater Saturation Equationを検討した。その結果次の式が得られた。
これらの式を用いて検層解析を行った結果は,従来の解析式による結果よりもはるかに現実のテスト結果に合致した。したがって検層解析への応用性は十分であると判断できる。またいわゆる頁岩補正は,砂岩中の粘土鉱物は頁岩片の形で存在するのではない点および現実の砂岩中の粘土鉱物含有量が極めて低い点などから,本来不必要なものであると考えられる。実際に行った検層解析においても頁岩補正を行わなかったにもかかわらず,解析結果には問題がないこともこの考えを支持する。
更に今回Formation Factor Equationを求めるために使用したデータは, φ vs mプロットにおいてARCHIEの場合とほとんど一致したことから,新たに求めた解析式が一般性を有し,他フィールドにも応用できる可能性が高いと判断される。

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