日本再生歯科医学会誌
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MINI REVIEW
光重合型MTA系覆髄材料 セラカルLC について
石井 里花
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2020 年 18 巻 1 号 p. 1-4

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抄録

セラカルLCは,X線造影性を備え,HEMAを配合しない, ケイ酸カルシウムを配合した光重合型MTA系覆髄材料である.セラカルLCに配合する親水性レジンは独自のもので,象牙細管液と浸透性をもちながらも, 溶解し難い特性をもつ.セラカルLC適用後,象牙細管液はセラカルLC中に吸収されると同時に,カルシウムイオンと水酸化物イオンを放出し,歯牙の直接的反応のひとつとして,歯牙本来の封鎖性を潜在させるアパタイトが,セラカルLC直下に形成される.この生体親和性とアパタイト形成補助能が,歯髄保護の重要なかつ積極的な役割を果たす.セラカルLCは,シリンジに装填されており,湿潤象牙質あるいは露髄面に直接輸送することができる.手練和,輸送用インストルメント,あるいは粉材を必要としない.セラカルLCは,積層厚さ1mmを20秒間の光重合させる覆髄材料である.

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