トランプによるカードゲームはシンプルなカード構成で様々なルールが存在する.そのルールによって現実の様々な問題構造を表現することができる.例としてダウトは嘘をついたりそれを見抜いたりする必要性がルールで表現されている.そこでトランプゲームの応用方法を提示し,社会的課題の理解について検討した.「大富豪」は階層間格差を表現しているが,多様なオプションルールのどれを採用するかはプレーヤー間の合意形成の課題として理解できる.「ベーシックラミー」のルールを応用し,食材を組み合わせて料理を完成させる学習ゲームを開発・実践し,食材の組み合わせにおける合意形成課題として発展させた.「99」のカードの数字を足し合わせながら一定数を超えたら負けというルールを用い,合計値をプレーヤー全員で復唱する際の緊張感を環境問題の切迫感と位置づけた.トランプゲームをプレーヤーが社会の仕組みを捉え理解するツールとして活用する方法とその普及について考察した.