2017 年 25 巻 2 号 p. 49-58
日本シミュレーション&ゲーミング学会は,1989年1月21日に設立された.それよりも1年前,日本学術会議第2部会員である関寛治は,国際シミュレーション&ゲーミング学会会長から,日本での総会の開催について打診された.当時,日本にもシミュレーション&ゲーミングに関するすぐれた研究はあるが,国際学会を受け入れる国内学会が存在していなかった.1回目の国際シミュレーション&ゲーミング学会総会は,1970年に当時の西ドイツのボンで開催されている.9か国の参加国と40名の参加数といわれる.学際的制度化では20余年の遅れがあることになる.各専門領域の学会の一部門をネットワーク化し,日本シミュレーション&ゲーミング学会の設立を目指した.日本学術会議が公募する毎年6重点国際会議の一つに選ばれることを目指した.日本学術会議は専門分野別で構成されていたが,学際的領域の研究を促進することもあり,第1部から第5部までの横断型で会員を組織委員会に迎え入れている.1991年に国際シミュレーション&ゲーミング学会総会を重点国際会議として京都で開催できた.世界中から第一級専門家の参加を得て多くの知見を得ている.12年後の2003年には,重点国際会議に指定され,再び国際シミュレーション&ゲーミング学会総会を開催した.多くのセッションが,日本シミュレーション&ゲーミング学会の専門家を中心に運営され,我が国の先端性を証明できた.さらに12年後の2015年に,国際シミュレーション&ゲーミング学会総会を開催し,この分野における日本の貢献を示している.