抄録
タバコのないクリーンな環境と健康な社会を実現し、人類の福祉向上に貢献するにはいろいろなアプローチが必要である。医療従事者が日常の診察で患者の禁煙を支援するのも、子供たちに「その生涯を左右するような《喫煙という悪い習慣》を身に付けないように、《タバコ病に罹らない》ように」と教えるのも、或いは政治的に国の行政に働きかけるのも、いずれもわれわれの目的達成のために必要なアプローチである。そして、多くの人が自分にできるアプローチでそれぞれが理想とする《タバコのない社会》実現に向かって取り組んでいる。その取り組みにおいて不可欠なもの、基本となる存在が禁煙科学であると考えているが、その点について概説しておきたい。