看護教育学研究
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1994年から1998年における看護学実習に関する研究内容の分析 : 学生を対象とした研究に焦点をあてて
山下 暢子定廣 和香子舟島 なをみ
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2003 年 12 巻 1 号 p. 29-36

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抄録
本研究の目的は、看護学実習に関する看護学教育研究のうち、学生を対象とした研究の内容を分析し、その動向と特徴を明らかにすることを通して、研究遂行上の課題を検討することである。1994年から1998年にわが国の主要な看護系学会誌に掲載された研究から、学生を対象とした看護学実習に関する研究を抽出した。質的帰納的方法を用いて、各研究の内容をコード化し、コードの意味内容の類似性に基づいてカテゴリ化した。その結果、学生を対象とした看護学実習に関する研究は232件であり、これらは看護学実習に関する研究434件の53.5%を占めることが明らかになった。また、学生を対象とした看護学実習に関する研究内容を示す5カテゴリが明らかになった。5カテゴリとは、【I.実習が学生に及ぼす影響】【II.実習における学生の学習活動展開状況】【III.実習目標達成度とそれに関わる要因】【IV.実習指導に対する学生の期待・評価】【V.実習が学生に及ぼす影響と実習目標達成度の教育課程別比較】である。これらに対する考察は、研究遂行上の課題として、(1)文献検討により抽出した学習活動に影響する可能性のある変数と実習目標達成度の関係の概念枠組みの構築、及びこれに基づく研究遂行、(2)実習指導に対する学生の期待・評価に関する研究成果活用の実態解明、(3)各教育課程の一般的な特徴の解明の3点を示唆した。
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© 2003 日本看護教育学学会
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