看護教育学研究
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看護学実習における学生経験を解明した面接方法の現状 : 質問項目に焦点を当てて
山下 暢子舟島 なをみ
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2004 年 13 巻 1 号 p. 79-84

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抄録
本研究の目的は、面接法を用いて、看護学実習における学生の経験を解明した研究を対象とし、それらに設定された質問項目に共通する様式を明らかにして、今後の研究の基礎資料とすることである。キーワードをnursing students, education/clinical, student experiences等に設定し、CINAHLを用いて1982年から2002年に発表された海外文献を検索した。同時に、キーワードを看護学生、看護学実習、経験等に設定し、医学中央雑誌を用いて1986年から2002年に発表されたわが国の文献を検索した。次に、面接法を用いて看護学実習における学生の経験を解明した研究のうち、質問項目が明記されている研究15件を対象文献として抽出した。結果は、看護学実習における学生の経験を解明した研究に設定された質問項目には、3つの様式が存在することを明らかにした。3つの様式とは、【I.経験の意味探求型】【II.経験の事実聴取型】【III.経験に伴う思考・知覚・感情探求型】である。これらに対する考察は、各質問様式の特徴を示した。各様式の特徴とは、(1)【I.経験の意味探求型】は、学生自身による出来事の理解の解明を目ざして設定されている、(2)【II.経験の事実聴取型】は、学生が遭遇した出来事の詳細な記述を目ざして設定されている、(3)【III.経験に伴う思考・知覚・感情探求型】は、特定の教授活動・学習活動に反応して生じる学生の心理的な状態の解明を目ざして設定されている、である。
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© 2004 日本看護教育学学会
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