ポピュラー音楽研究
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「非-芸人」としてのストリートミュージシャン-「他者」の機能を中心に-
井手口 彰典
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2004 年 8 巻 p. 3-16

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抄録

筆者の考えによれば、いわゆる「ストリートミュージシャン」という言葉によって示される対象は、特に90年代後半からの日本において大きく変質してきている。旧来的には当然であった「芸を演じる」という感覚を持ち合わせない者たちが出現しているのだ。しかしそのような変質に着目する研究的視点は未だ少なく、旧来的なストリートミュージシャン像との間に混乱をきたしている。本論文は、近年現れた「非-芸人」とでも呼びうる新たなストリートミュージシャンを、特に他者との関係性から分析し、旧来的なものとは区分して捉える重要性を提言する。またそのような異質なストリートミュージシャンたちが現れてきた背景を明らかにし、その活動が生み出される機制を考察する。

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