首都直下型地震及び南海トラフ巨大地震の発生が危惧される中、木造住宅の耐震化は喫緊の課題と位置づけられており、木造住宅の耐震診断及び耐震改修に携わる建築技術者の育成は重要と考える。耐震技術者への研修には座学による耐震診断の概要を学ぶもの、耐震診断計算の演習、耐震診断調査の実務訓練などが考えられ、これらを組み合わせることで、実務に必要とされる知識が得られるものと考える。特に建物調査が耐震診断を行う上で非常に重要な位置を占める。このため建物調査を重視した研修の実例を示すこととした。ここでは既存建物を使用した建物の調査実習を取り上げており、座学による講習においても調査で得られる情報を盛り込んでいる。