動脈硬化
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小児におけるアポE表現型と肥満度, 血圧およびアポ蛋白値との相関についての検討
佐藤 良行岡田 知雄岩田 富士彦原 光彦金 英哲原田 研介梁 茂雄
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1997 年 25 巻 5 号 p. 179-183

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抄録
健常小児を対象にアポE表現型とアポ蛋白値の関係について検討した. 対象は中学1年生(12~13歳)289名(男児145名・女児144名). アポE表現型の頻度は, E3/3; 69.9%(202名), E4/3;18.7%(54名), E3/2;9.0%(26名), E4/2;1.4%(4名), E4/4; 0.7%(2名)であり, E2/2はみられなかった. E4(E4/4, E4/3), E3(E3/3), E2(E3/2)の3群について, 体格指数, 血圧, アポ蛋白値を比較検討した. 身長, 体重, 肥満度, 血圧に3群間に差はなかった. アポB, アポB/AI比は3群間に有意差を認め, E4, E3, E2の順に高値であった. アポAIは, 有意差はないが, E4, E3, E2の順に低値であった. 以上より, アポE4はE3, E2に比べてアポ蛋白の動脈硬化促進性の変化が強いものと思われ, アポE表現型はgenetic factorとして小児期からの動脈硬化予防に重要な情報を与えるものと考えた.
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© 一般社団法人 日本動脈硬化学会

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