日本テレワーク学会誌
Online ISSN : 2433-1945
Print ISSN : 1347-3115
e-businessとreal-businessのビジネス形態別コスト比較分析に関する考察-定量的実証研究-
錦織 聡一比嘉 邦彦
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 11 巻 1 号 p. 66-79

詳細
抄録

e-businessの市場拡大に伴い、多くの学術研究やビジネス書でe-businessのマネジメントの重要性や高度化が議論されている。しかしながら、既存研究ではe-businessを行う企業(以下、EB)を対象としたICTによるコスト低下の検証が明確に行われていないため、具体性がなく曖昧に議論され、実務上ではEBを適用する経営戦略で誤りが生じる事例も存在する。そこで、本研究では従来型のビジネス(real-business)を行う企業(以下、RB)とEBというビジネス形態別に、決算書を用いた定量的実証によるコスト比較分析を行った。比較分析の結果、売上に対する販売費及び一般管理費では、RBよりもEBのコストが増加し、業種別にコスト差異が出ることが判明した。さらに、EBのいくつかの業種では、特定のコストが増加していることが確認された。本研究の貢献は、時間と場所の制約を受けないe-businessにおいてビジネス形態と業種を考慮したマネジメントの高度化の実現に寄与することである。

著者関連情報
© 2013 日本テレワーク学会
前の記事 次の記事
feedback
Top