抄録
昨今、WLB型TWを導入する企業は多い。また、TWをBCPにも活用すべきとの意見が散見される。だが、BCP型TWは様々な点で従来のWLB型TWの環境とは違いがあると推測される。本稿では、BCP型TWの意義を検討した上で、WLB型TWがBCPに適用できるかどうかを、現在WLB型TWを実施している中小企業の例をもとに考察した。まず、中小企業でのBCPの認識は低いが、従業員各々の業務範囲を考慮すると中小企業ではBCP型TWが必要であることを明らかにした。次に、少人数WLB型TWを導入した中小企業では従業員の特性および社内情報システム環境等の様々な要因がBCP型への移行の障害となる可能性を示した。あわせてBCPの認識とTW環境の整備には、事業承継との関係も含めた経営者への情報提供と企業間の連携が重要であることを示した。