抄録
中小企業においては、防災計画とBCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)を一体化し、防災計画を発展させながらBCPを策定していく事例や、自治体による策定支援が課題をもちながらも多く見られるようになってきている。BCPは災害、パンデミック発生時の事業継続を目的とするが、個別のBCPを連携させた地域で機能するBCPが大規模災害時にはより効果が期待されており、点から線、面での地域連携された計画、活動への期待が高まっている。BCPの実行にはその地域、地区が安全である必要があるため、地域防災活動も含めた計画としてDCP(地域継続計画:District Continuity Plan)が議論されはじめている。本稿ではDCPの実態をBCP、防災計画、DCPの関連先行事例より調査し、DCPという考え方・取り組みのBCP導入への影響・効果について考察する。