抄録
鉄道における強風時の運転規制基準を検討するために、海上と山岳隣接平地における長期間の風速観測結果を用いて、短時間に生じる風速の変化量に関する統計的な分析を行った。当日の天気図に基づき、台風、前線の前面、前線の後面、冬型、その他の5つのカテゴリーに分類した気象条件により、直前の10分間最大瞬間風速と引き続く5分間最大瞬間風速との差の階級別度数を調べた。強風時に生じた風速変化量の度数分布に関して気象概況による分布形の違いは小さかった。気象概況による強風時の風速変化量の違いは、観測地点による違いと同等かやや小さいことが分かった。