ヒートアイランド対策を効果的に進めるためには、気候の地域特性を良く考える必要がある。気候の地域特性と言う場合、通常は東京の気候と仙台の気候の差というように都市間の差に着目することが多い。しかし、首都圏でも湾岸部と内陸部では相当気候が異なるように、1つの都市内の気候も一様ではない。本研究では、都市空間の熱収支モデルを利用して、一つの都市内の各地域の気温上昇をもたらす主要な要因を抽出し、MAP化する方法を検討する。ここで提案された「熱収支MAP」により、地表面からの発熱、人工排熱よりも、海風の効果の大きい地域を明確に示すことができた。また、このMAPにより地域による気温変化のパターンの違いについて説明可能である。