抄録
日本版改良藤田スケールに反映させるため、樹木の属性や被害形態と被害発生風速との対応関係を導き、それらをDIおよびDODとして分類することが本研究の目的である。樹木被害は人工構造物が少ない場所の主要インジケータ、国・地域ごとの差異が小さな汎用インジケータ、竜巻強度の弱い領域の主要インジケータとして重要な指標である。樹木の植栽環境でみたとき、街路樹が公園樹、森林、庭木と比較して有意に限界風速が大きかった。針葉樹、広葉樹、街路樹をDIとして、それぞれDODの風速値を推定した。DOD間の風速値の大小関係、既存の文献との風速値との比較から、おおむね妥当と考えられた。