抄録
近年都市部での竜巻被害が頻発しており、自治体の防災対策や損害保険料率算定のためには、ある地域を竜巻等の突風が襲った場合の被害リスクを想定する必要がある。本報では、2006年に宮崎県延岡市で発生した竜巻被害に着目し、被災地域の建物面積密度および建物の強風被災度ランクを利用して建物被災面積の予測を試み、実際の被害との比較検討を行った。風速が低い場合には、無被害の建物が多く、建物の被災程度ごとの実際の発生割合と用いた確率密度分布との対応が良くなかったために、実際には被害がほとんど出なかった領域でも大きな被災面積が予測されることがあったが、高風速域では予測した建物被災面積と実際の被害がほぼ対応した。