近年、都市部の高層建物が立ち並ぶ街区に高層建物が計画・建設される事例が増えており、高層建築物の設計用風荷重を評価する上では、周辺建物によって形成される乱流場の影響を明らかにしていく必要がある。また、都市部で増えている環境配慮型高層建築物に設置されるフィン型部材は、特に高層部や建物隅角部において大きい風荷重が作用するため、設計用風荷重を評価する際に考慮する必要がある。
本報では、高層市街地の中に立地する建物についてCFD解析を実施し、周辺建物によって形成される乱流場の影響や外装材に作用する圧力場の確認を行った。風上側の建物から剥離した流れが対象建物と周囲の建物に囲まれた空間に流れ込み、NW面の風上側の高層の測定点付近に到達し、強い負圧を生じさせていることが確認できた。
