抄録
長大斜張橋のケーブルではDry Inclined Cable Gallopingと呼ばれる空力振動が生じるとされているが同様の振動は一般的な円柱部材でも生じる可能性がある。その特性を検討するために,アスペクト比の小さい斜円柱模型を用いた風洞実験で応答を測定し,ある程度の再現性を確保した形で振動特性を検討できた。すなわち,風速9m/s(Re=1.6×105)において振動が生じた後,一旦振幅が小さくなり,さらに高風速域において大振幅の応答が生じた。この実験を対象とした空気力係数を測定し,準定常空気力による応答解析について検討した。その結果,無次元風速が100を超えるような現象においても,非定常空気力が原因となり空力振動が生じている可能性が示された。