1992 年 19 巻 2 号 p. 1-13
事象の発生数のモデルとしてポアソン分布が当てはまらない事態において,一般化ポアソン分布やポアソン分布の混合分布がこれまで提案されている.これらのモデルはポアソン分布をより一般化したものであるが,ある確率分布を持つ均質な観測個体の母集団を想定している.一方,このような集団自体が変化・相違し,かつそれらが,集団の変化・相違を記述する説明変数により,決定されるという状況のモデルを当論文は提案している.すなわち,一般化ポアソン分布とポリア-エゲンベルガー分布のパラメータが説明変数の関数として構造化されているモデルである.適用例では,提案されたモデルが知能検査における誤答数の分布の,年齢とともに変化・相違する状況を記述することに役立つことを示す.