Journal of Computer Aided Chemistry
Online ISSN : 1345-8647
遷移状態探索システムの構築
堀 憲次名越 康浩山崎 鈴子
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2000 年 1 巻 p. 89-97

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抄録

これまで経験に基づいて行われてきた目的化合物の新規合成経路を創生する手段として、合成経路設計システムが実用的となりつつある。このようなシステムは、自身が有するデータベースと推論ルーチンにより合成経路を与える。しかしながら、一般的に複数の合成経路を提案するのみで、どの経路を選択するかの最終判断は、合成を行う個々の化学者に委ねられる。もしも提案された合成経路に含まれる反応の容易さが、計算化学的手法により判断できれば、だれにでも経路のランクづけが可能となる。この問題については、遷移状態探索と極限的反応座標計算を十分に活用すれば、解決できると考えられる。本研究では、実験化学者が細かな手順に煩わされることなく遷移状態探索と反応解析を可能とするシステムの開発を行った。本システムには、遷移状態を探索する標準的な方法である、ミニマムエネルギーパス法、Saddle法、エネルギー等高線図法が組み込まれている。また、鎖状及び環状置換基を取り扱う置換基法もプログラム化されている。置換基法は既知の遷移状態構造を利用する方法で、遷移状態探索に非常に有効であることが判明した。

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© 2000 日本化学会
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