Journal of Computer Aided Chemistry
Online ISSN : 1345-8647
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<岡田孝先生・西岡孝明先生の退職記念号:化学データサイエンス>PETによる海馬における糖代謝量の性別・年齢の影響
佐藤 哲大星田 徹
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キーワード: 海馬, PET, MRI, 位置合わせ, 年代比較
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2017 年 18 巻 p. 117-123

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抄録
側頭葉てんかんの早期発見および予後診断を目的として、18-F フルオロデオキシグルコース(18FDG)を用いた陽電子放出断層撮影(FDG-PET)により、海馬が診断の対象とされている。PET画像は代謝量など機能的な情報に優れているが、脳構造を見分けるのが難しい画像である。PET画像を構造別に解析する方法の一つとして解剖学的標準化が挙げられる。あらかじめ脳構造がわかっているテンプレートの画像に合わせて非線形変換し、対応した箇所での代謝量について解析する手法が一般的である。しかし、非線形変換により、比較的小さい構造部位が変形によるずれの影響を受ける問題がある。そこで本研究では、解析対象を海馬に絞り、磁気共鳴画像(MRI)を用いて海馬領域を抽出した後、MRI画像と剛体変換による位置合わせしたFDG-PETにおいて、脳ブドウ糖代謝量と被験者の年齢や性別との関連について検討した。被験者間での比較において海馬領域の体積と輝度値だけでなく、体積当たりの輝度値から算出される比率も合わせて比較した。さらに、健常者群と側頭葉てんかん患者の症例と比較した。
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© 2017 日本化学会
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