現代アジア研究
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ステーブルコインと中国の金融安全
人民元国際化の道筋をめぐって
範 従来, 張 越
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2026 年 1 巻 p. 2-27

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抄録
金融安全は国家経済安全保障の中核を成し、金融イノベーションは金融安全を維持するうえで重要な保障である。ステーブルコインは金融イノベーションの産物として、資産連動型のアンカー・メカニズムに依拠することで価格の安定を実現している。しかし、現行の主流たる米ドル建てステーブルコインは、米ドル準備体制に深く組み込まれており、米ドルの国際通貨としての地位を一段と強化する一方で、国際通貨体制の多元化の進展を遅らせ、中国の金融安全に潜在的脅威をもたらしている。通貨主権をめぐるグローバルな競争が一層激化するなか、本稿は、ステーブルコインの「安定の錨」と「トリレンマ」という二つの視角に立脚し、さらにその越境決済分野における主要な応用を踏まえつつ、ステーブルコインが中国の金融安全に及ぼす影響を体系的に分析する。そのうえで、金融安全を戦略的中核として人民元国際化を推進し、安全と開放を両立させる必要があることを指摘する。具体的には、人民元国際化と金融テクノロジー・イノベーションとの深度ある融合を促進し、人民元建て資産のエコシステムを構築し、デジタル人民元の越境決済システムを発展させ、人民元決済システムのコンプライアンスを強化し、人民元国際化に向けた地域協力メカニズムを整備するとともに、国際ルール形成に積極的に関与することが求められる。これにより、激しい通貨主権競争のなかで人民元国際化の基盤を強化し、国家金融安全の防壁を築き、中国経済の質の高い発展を支えることが可能となる。
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