抄録
等温等圧分子動力学 (NPT-MD) シミュレーションによって、ポリマー中への気体の溶解度を予測する新しい手法を開発した。これまで、薄膜/気相のサンドイッチ型モデルに通常のNPT-MD法を適用すると、気相が消滅してしまい、シミュレーションが不可能であった。今回、新しい方法として、気相の体積の維持とポリマーへの外圧の印加のために、気相は仮想液体で満たした。この手法を1, 4-シスポリインプレン (cis-PI) 薄膜/気相の2相モデルに適用し、50°Cまたは100°Cにおける酸素、二酸化炭素のHenry溶解度係数を見積もった。これらの溶解度係数の予測値は、実験値と概ね一致した。