ジオシンセティックス論文集
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論文
二重壁構造をもつ垂直補強土擁壁の現場実験と数値解析
吉田 浩一荒井 克彦辻 慎一朗横田 善弘竜田 尚希
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2007 年 22 巻 p. 213-218

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抄録
コンクリートブロック(以下,壁面材)とジオグリッドを敷設した盛土(以下,補強盛土体)の間に鉛直の変形吸収層を設けた二重壁構造の補強土壁に関する実物大現場実験と数値解析を行なった結果を報告する.変形吸収層は,補強盛土体の土圧が表面の壁面材に直接作用することを防止する目的で設置した.この補強土壁に関する実物大現場実験を行い,壁面材に作用する水平土圧,壁面材の変形などの動態観測を実施した.この計測結果に対する数値解析を行った. Mohr-Coulomb降伏基準と簡便な非関連流れ則,初期応力法に基づく静的な弾塑性解析を行い,壁面材には補強盛土体の土圧がほとんど作用しないこと,二重壁構造の擁壁が安定であることが確認された.また,Mohr-Coulomb降伏基準と簡便な非関連流れ則,初期応力法に基づく動的な弾塑性解析も実施し,二重壁構造の擁壁が地震時にも安定であることを示した.実際に建設された二重壁構造の擁壁に対する検討を行った結果も併せて示した.
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© 2007 国際ジオシンセティックス学会 日本支部
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