2007 年 22 巻 p. 63-68
火山灰質粘性土である黒ぼくは高含水比で,撹乱すると容易に軟弱化する.そのため土工材料として使用する場合は安定処理を行うが,強度がうまく発現しないことがあり,多量の安定処理材を投入せざるを得ない場合がある.本研究は黒ぼくの安定処理土に短繊維を混合し,コーン試験,一軸圧縮試験・三軸圧縮試験を行い,強度特性の改善効果を調べた.黒ぼくの安定処理土に短繊維を混合することによって一軸圧縮強度が増加し,残留強度が期待できる.コーン指数が増加しトラフィカビリティーが改善されるなどの力学特性の改善が示された.また,短繊維と安定処理材の組合せによって,安定処理材添加量を少なくできる可能性があるなどが示された.