ベントナイトの膨潤性と遮水性に及ぼす有機化合物1,4-ジオキサンとビスフェノールAの影響評価を目的として、それらの濃度をパラメトリックに変化させた有機化合物水溶液を用意し、膨潤試験と透水試験を行った。その結果、ベントナイトの膨潤性に悪影響を及ぼす濃度レベルは、概ね10,000 ppm以上であることを明らかにし、その濃度レベル以下の1,4-ジオキサンとビスフェノールAの単一溶液であれば、ジオシンセティッククレイライナーの透水係数は10-9 cm/s程度であることを示した。わが国のような総有機炭素濃度の低い浸出水においては、その中に含まれる1,4-ジオキサンとビスフェノールAの濃度も低いと考えられるので、このような浸出水では、1,4-ジオキサンとビスフェノールA単体が遮水性能の低下を誘発することはないと結論付けた。