2004 年 19 巻 p. 167-174
保安林解除協議の過程で設置が義務付けられた防災調整池を施工するにあたり,用地を確保するために,高さ約20m,勾配1:0.3のジオグリッドによる大規模な補強土壁工法(総敷設面積約16万m2)が採用されたが,施工期間は約3ヵ月と急速であり,補強土壁の安定性の低下,沈下など変形の増大が懸念された.
そこで,動態観測を行い,施工段階で得られる情報によって盛土の安定管理に適用するとともに,将来の予測管理に供した.本報文は,急速施工を行った大規模補強土壁の施工実績及び補強土壁の変位計測結果について報告するものである.