抄録
古タイヤを原型のまま活用すれば安価でかつフープテンションに強い特長が活かせるが,そうした再利用はほとんど行われていない.ここでは古タイヤを原型に近い形で活用して,タイヤの中空部に粒状体を充填した積層状の改良体を作製し,耐圧実験などを実施してその力学特性を検証した.使用したタイヤは乗用車タイヤとトラックタイヤである.実験の結果,積層体は十分な強度と優れた変形性能を有することが分かった.また積層改良体自体が単独として構造体としても利用できることを示した.地盤や盛土築造法においては,施工が早く簡易に実施できる工法を提案した.本工法は大量の古タイヤが再利用でき,環境保全にも大きく寄与する.