日本冠疾患学会雑誌
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症例報告
6 Fr long guiding sheathを使用することでアプローチ困難な患者に対して冠血行再建し得た1例
川本 浩禎栗田 直幸中村 淳
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2013 年 19 巻 2 号 p. 153-158

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抄録
維持透析中の57歳男性.腹部大動脈遠位部閉塞,右腋窩-両大腿動脈バイパス術後,左前腕シャント造設後であり,冠動脈へのカテーテルアプローチに制限があった.右上腕動脈からのみアプローチ可能であったが,鎖骨下動脈から腕頭動脈にかけて高度屈曲と高度石灰化を認めた.冠動脈造影では右冠動脈慢性完全閉塞と左冠動脈主幹部狭窄を認めたが,経皮的冠動脈形成術(PCI)での血行再建を行った.高度石灰化,解剖学的特性などによりガイディングカテーテル操作が困難であったが,long guiding sheathを使用することで容易にPCI可能となった症例を経験したので報告する.動脈アプローチの限定される患者では補助循環も使えず,手際のよい安全性の確保された手技が求められる.このような症例に対しては,易操作性と易アプローチ性,耐kink性を期待してlong guiding sheathの使用が有用であると考える.
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© 2013 日本冠疾患学会
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