日本冠疾患学会雑誌
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Plugged stent technique in direct stenting
原 信博宮本 貴庸尾林 徹
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論文ID: 19.504

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抄録
症例は78歳の男性.胸痛を主訴に来院し,不安定狭心症の診断で緊急冠動脈造影を施行した.左冠動脈前下行枝#6に90%狭窄を認め,今回の責任病変と判断し,direct stentingによる冠動脈インターベンションの方針とした.血管内超音波で,対角枝以遠の血管径が急激に細くなるため,ステント遠位端を対角枝分岐部に留置する方針とした.ステントを病変内に進め,ステント位置決めのための造影を施行すると,病変狭窄とステントデリバリーシステム自体により造影剤の通過する間隙が減少し,ステント留置マーカーである対角枝の造影が不能になった.そこでステントを狭窄部位から狭窄の及ばない近位部に引いて留め,造影剤を冠動脈注入した直後にステントを狭窄部位に進めた.この手技により,病変狭窄部位より遠位の造影が可能となった.またステントの移動により,病変狭窄とステント自体より,冠血流が停止するため,直前に冠動脈注入した造影剤が狭窄部位の遠位に停滞した状態になった.当初予定していたマーカーとなる対角枝を確認しつつ,ステント留置部位を確認し,適切な部位にステントを留置することができた.
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© 2013 日本冠疾患学会
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