日本冠疾患学会雑誌
Online ISSN : 2187-1949
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OCTガイドPCIの現状と将来の展望
久保 隆史猪野 靖松尾 好記塩野 泰紹樫山 国宣亀山 剛義折居 誠山野 貴司山口 智由田中 篤穂積 健之赤阪 隆史
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論文ID: 22.15-00018

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抄録
光干渉断層法 (OCT) は近赤外線を用いた高解像度の血管内画像診断装置である.OCTは経皮的冠動脈インターベンション (PCI) によるno-reflowを予測できる.OCTで同定される薄い線維性被膜を有するプラーク (TCFA) は,PCIにより破裂しやすく,プラーク内容物や局所で形成された血栓の遠位塞栓をきたす危険性が高い.OCTは,分岐部の複雑な解剖を描出することができる.分岐部に突出したcarinaを有し,鋭角に分岐する側枝は,主枝へのステント留置により閉塞する危険性が高い.さらに,三次元再構築画像はステントストラットによる側枝入口部のjailingや,ストラット越しに側枝へ挿入したワイヤーの走行の把握が容易であり,kissing-balloon angioplastyの事前評価に有用である.また,OCTはIVUSにくらべて石灰化病変の描出に優れる.バルーン拡張による石灰化の破砕や,ロータブレータ治療後の削剥面を明瞭に描出できる.OCTは詳細に血管の解剖学的・組織学的情報を提供することにより,PCIの最適化に貢献する.
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© 2016 日本冠疾患学会
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