2023 年 35 巻 p. 103-116
気候変動が人々の日常生活の中で自覚できる今日であるが,これまで地球温暖化の防止・緩和の観点から多くの施策や取り組みが行われてきた。本稿では,食糧・エネルギーを海外からの海上輸送(海運)に依存する日本において,認識されることが期待される国際海運からの GHG 排出削減の促進を目的とするポセイドン原則の枠組みを概観したうえで,その運用から生じる会計問題について論究している。ポセイドン原則に基づいて算出される気候変動整合度は非財務情報であり,サスティナビリティレポートやCSR 報告書,環境報告書で公表される。本稿ではその一例として三井住友信託銀行の事例を取り扱っている。