千葉県の早期栽培における早生品種の生産安定のためには、障害型冷害の回避が重要となる。そのためには、耐冷性にすぐれた品種の導入、播種・移植期の適正化が必要となるが、同時に水稲の生育状況を予測して、冷害危険期に深水灌漑が実施できるよう、あらかじめ必要な準備を整えておくことも重要である。冷害危険期は、幼穂形成期(主稈幼穂の80%が1mm以上となった時期)のおよそ10〜17日後に相当する時期である。そこで著者らはAMEDASの気温情報をもとに、県内任意地点における、任意の移植時期の水稲について、幼穂形成期を予測する方法につき検討した。