抄録
大腿骨頭壊死における早期診断法と core decompression の有用性を調査した. 対象は Ficat のいう early stage (stage 0-II) の患者5例7関節に限った. これらの患者は術前全例MRIで低信号域を認めた. 手術に際しては, 8mmのトレフィンをイメージ透視下に大転子下部より穿孔したが, その組織学的所見は全て Ficat の云う壊死所見を呈していた. 術後平均1年の近隔調査では, その臨床成績は stage 0 (1/1) の100%, stage I (3/4)の75%, stage II (1/2) の50%が成績が優良であった. X線評価では, stage 0 (1/1)の100%, stage I (1/4)の100%, stage II (1/2)の50%で進行が停止しており, 目下 collapse を生じた例はない.