抄録
【目的】包括的BPSDケアシステム®の電子版を訪問看護ステーションの利用者6名に導入し、認知症の行動・心理症状(BPSD:behavioral and psychological symptoms of dementia)の評価を明らかにした。
【方法】対象は訪問看護ステーションを利用している65歳以上の高齢者で、認知症の診断を受けBPSDをもち、研究に同意を得た6名とした。方法は包括的BPSDケアシステム®の電子版を使って、訪問看護師が対象者の状態を観察し、アセスメント番号とケア実施を入力、研究者に送信した。研究者はその情報をもとにアクションプランを作成して、訪問看護師に送信した。訪問看護師はそれを検討し、必要に応じて変更や修正を加えアクションプランを立案、実践した。
【結果】介入前と介入1か月後のNPI-Q重症度得点は全員減少した。【結論】在宅における包括的BPSDケアシステム®の電子版の使用により、訪問看護利用者のBPSD改善の可能性が示された。