認知症ケア研究誌
Online ISSN : 2433-4995
ISSN-L : 2433-4995
認知症高齢者とのコミュニケーションスキル自己評価尺度の開発
膽畑 敦子
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 7 巻 p. 9-20

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抄録

【目的】認知症高齢者とのコミュニケーションスキル自己評価尺度を作成し、信頼性と妥当性を検証することを目的とした。 【方法】先行研究および文献に基づき、34項目の認知症高齢者とのコミュニケーションスキル自己評価尺度原案を作成した。尺度の技術項目にはユマニチュード®の技術を活用した。A県の訪問看護師380名を対象に郵送による無記名自記式質問紙調査を実施し、信頼性と妥当性を検証した。 【結果】148名(回収率38.9%)より回答があり、欠損のない133名(有効回答率35.0%)を分析対象とした。探索的因子分析の結果、認知症高齢者とのコミュニケーションスキル自己評価尺度の構成要素は、5因子24項目にて構成されていることが明らかになった。5 因子はそれぞれ【認知症高齢者の尊厳の尊重】【認知症高齢者の心身機能への配慮】【認知症高齢者への情報の伝達】【認知症高齢者へ安心感を与える】【認知症高齢者と信頼関係を結ぶ】と命名した。クロンバックα係数は尺度全体にて.897であり、各因子と外的基準ENDCOREsとの相関係数は.634であった。 【結論】本開発尺度は5因子24項目からなり、ある程度の信頼性と妥当性を備えた尺度であることが確認された。本尺度は認知症高齢者とのコミュニケーションスキルの自己評価や認知症高齢者とのコミュニケーション学習の評価にも寄与する。さらに尺度の精度を高めるために検討する必要性があることも示唆された。

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